キッチンカーで売るスイーツの選び方|冷凍品を使うときの許可・表示・温め時間

キッチンカーで売るスイーツは、「すぐ出せる」「手に取りやすい価格」「歩きながらでも食べやすい」「季節に合う」の4つを確かめて、候補を絞ります。 冷凍の既製品を使えば車内の仕込みを大きく減らせますが、温めて包装を開けて出すのか、包装のまま売るのかで、必要な許可と食品表示が変わります。
この記事では、キッチンカーのスイーツの選び方と、冷凍品を使うときの許可・表示・温め時間・電源・冷凍庫の考え方を、厚生労働省・消費者庁・自治体の公開資料をもとに整理します。当社(株式会社プラティーン)は、催事・キッチンカー・店頭向けに、冷凍のスイーツとパンを卸しています。
この記事のポイント
- スイーツは「提供の速さ・価格・食べやすさ・季節」で選ぶ。キッチンカーの1回の利用額は500〜1,000円未満が最も多いという調査がある
- 冷凍品を温めて包装を開けて出すなら飲食店営業の許可(簡易な営業)、包装のまま冷凍で売るなら営業届出が基本
- 解凍して包装のまま売るときは、販売時の食品の区分に合う表示(保存方法・期限など)へ変える必要がある
- 1時間に出せる数は、温め時間・レンジの台数・出店先の電源から逆算する
キッチンカーのスイーツは何を基準に選ぶ?
キッチンカーのスイーツ選びでは、味の好みより先に、狭い車内と限られた時間で回せるかを考えます。中小機構(J-Net21)が2022年に行った消費者調査(996人)では、移動販売(キッチンカー)の1回の利用額は「500〜1,000円未満」が472人で最も多く、「500円未満」が372人でした。利用した分野は、たこ焼き・焼き鳥などの一品料理(279人)に次いで、パン・スイーツ・ドリンクなどの軽食(242人)が多い結果です。
- 提供の速さ: 注文から手渡しまで何秒かかるか。ピーク時に1人あたりの時間が延びると、行列がそのまま売り逃しになる
- 価格: 出店場所の客層・原価・出店料をふまえて決める
- 食べやすさ: 立ったまま・歩きながらでも食べられるか。持ち帰る人のために個包装にできるか
- 見た目: 形や断面に特徴があり、売り場で目に留まるか
- 季節・天候: 冬に冷たいものだけにならないか。客足が落ちた日に、売れ残りを次の出店に回せるか
天候の影響はとくに大きく、飲食店の経営者などへの調査(飲食店ドットコム、358人)では、キッチンカーのイメージとして70.3%が「天候に左右されやすい」と答えています。日持ちのする商品を軸にしておくと、雨や寒さで売れなかった日の損失を抑えられます。
スイーツの種類で、必要な設備はどう変わる?
キッチンカーのスイーツは、種類によって車に積む設備と、車内でする作業が変わります。たとえば、次のような違いがあります。
- クレープ・ワッフル(クロッフル): 焼き台やワッフルメーカーで、注文を受けてから生地を焼く。焼く工程のぶん、1人あたりの提供に時間がかかりやすい
- チュロス・ドーナツ: フライヤーで揚げる。油の管理と、車内の熱やにおいへの対策が要る
- ソフトクリーム・かき氷: 専用の機械が要る。暑い時期向きのメニュー
- 冷凍の完成品(スイーツ・パン): 電子レンジで出せる仕様の商品なら、製品の案内に従って解凍または加温して出せる。生地づくりや焼成の工程はないが、冷凍設備、解凍中の温度管理、電子レンジの電源は商品ごとに確かめる
焼き台・フライヤー・ソフトクリームの機械などを使うメニューは、電源または燃料、換気、車内のスペースも比べます。
候補は、出店先での食べ方から絞ります。 夏の屋外でその場で食べる人が多いなら冷たいメニュー、冬の出店なら温めて出すメニュー、持ち帰りが多い売り場なら包装品が候補になります。そのうえで、候補ごとに次の項目を同じ物差しで比べてください。
- 1個の提供にかかる時間
- 必要な電源や燃料
- 冷凍・冷蔵のスペース
- 仕入れの単位(何個から買えるか)
- 売れ残りの扱い(次の出店に持ち越せるか)
売れ行きは場所と客層で変わるため、どの品目が一番売れるとは一概に言えません。採算は、候補ごとに1個の販売価格から1個の仕入れ単価と包材費を引いた粗利を見積もり、その額に販売見込みの個数を掛けて、出店料・往復の送料・人件費などを差し引いて比べます。解凍したあと売れずに廃棄する分があれば、その原価も費用に入れます。売れ残りの保管や持ち帰りの手間も確かめておきましょう。
冬のキッチンカーでスイーツを売るには?
冬は、温かいメニューを足せるかがポイントです。名古屋市南区の「南区民まつり2027冬」の出店募集では、主催者が「冷え込む季節に温かい食べ物や飲み物を提供できるお店を熱烈歓迎」と書いています。冬のイベントでは、主催者の側が温かいものを求めることもあります。
火や油を使わずに温かいメニューを足す方法として、冷凍のパンや焼き菓子を電子レンジで温めて出すやり方があります。生地づくりや焼成がいらないため、冬だけメニューを足す、雨の日は数を絞る、といった調整もしやすくなります。
当社の野菜もちパン(コグマ・カムジャ・かぼちゃ・とうもろこし・ネギの5種)は、冷凍で届き、電子レンジで温めて出す商品です。甘い系と食事系がそろっているので、冬のホットドリンクと組み合わせたメニューも組めます。

冷凍の既製品を使うと、何が楽になって何に注意する?
工場で作られた冷凍のスイーツやパンを使うと、車内でやる作業は「温める(または解凍する)」「盛る・包む」「渡す」だけになります。生地づくりや成形の工程がないので、1人でも回しやすく、品質もそろいます。
楽になることは、次の4つです。
- 仕込み(生地づくり・成形・焼成)がいらない
- 品質と大きさがそろう
- 冷凍で在庫を持てる(売れ残りを持ち越しやすい)
- メニューの追加・入れ替えがしやすい
一方で、次の点には注意が必要です。
- 冷凍庫の容量と温度を保てるか
- 電子レンジと冷凍庫の電源をまかなえるか
- 解凍したあとの期限と扱い
- 出し方によって許可と表示が変わる
キッチンカーの給水タンクは、国の基準で、1日の営業に必要な水の量によって約40L・約80L・約200Lに分かれます。温める・盛り付けるなどの簡易な調理だけなら約40Lの区分が目安ですが、扱う品目の数や工程の数え方は自治体ごとに運用が違います。メニューを決めたら、車をつくる前に保健所に相談してください。
冷凍品の出し方で、許可と表示はどう変わる?
同じ冷凍のスイーツでも、どの状態で客に渡すかで手続きと表示が変わります。国の整理(2021年6月施行の改正食品衛生法の通知・Q&A)と消費者庁のQ&Aをまとめると、次のとおりです。

| 出し方 | 主な手続き | 表示で気をつけること |
|---|---|---|
| 温めて、包装を開けて出す | 飲食店営業の許可(簡易な営業)。国の通知は「既製品を開封・加温・盛り付けして提供する営業」を例に挙げている | 容器包装に入れない提供なので、包装食品の表示の義務はかからない。アレルギーの情報は、消費者庁が外食・中食での自主的な提供を進めている |
| 冷凍のまま、包装のまま売る | 営業届出(届出がいらないのは、常温で長く保存しても腐敗などのおそれがない包装食品の販売などに限られる) | 客に渡す包装ごとに、小売に必要な表示がそろっているかを仕入れ先に確認する。表示された保存温度を守る |
| 解凍して、包装のまま売る | 営業届出 | 解凍は表示上の「加工」にあたり、売るときの食品の区分に合った表示(保存方法・期限など)に変える必要がある |
いくつか補足します。
- 既製のまんじゅうの例外: 同じ国の通知は、既製のまんじゅう(あんまん・肉まんなど)を蒸して売る行為は飲食店営業として扱わず、営業届出の対象としています。自分の商品と工程(温め方・出し方)がどの区分にあたるかは、保健所に確認してください
- 菓子製造業の許可: 国の整理では、菓子製造業は「菓子の完成品を製造する営業」です。工場で作られた既製品を開封・加温して出すだけなら、製造にはあたりません。ただし、自動車の許可業種に菓子製造業を置く自治体もあります(相模原市など)
- 温め提供と持ち帰り販売の両方をする場合: 東京都の手引は、許可を持つ営業者が仕入れた包装品も売る場合、許可に加えて届出が必要だと例示しています
- 包装のまま温めて渡す場合: どちらの区分にあたるかは、公開資料では確認できませんでした。営業する地域の保健所に確認してください
とくにドバイチョコ餅のように解凍して食べるスイーツは、解凍して包装のまま売ると、売るときの区分に合った表示への変更が必要になります。解凍した事業者は、表示の上では「加工者」にあたります。包装を開けて紙皿やカップで出すか、表示の扱いを保健所と仕入れ先に確認してから売りましょう。
営業許可は、どこで取ってどこまで使える?
自動車の営業許可は、原則として許可を出した自治体の区域の中でだけ使えます。東京都の許可は都内一円、神奈川県では2021年6月以降、県内のいずれかの自治体で取った許可で県内全域に出店できます。国の調査では、他の都道府県の許可で営業できる例は、大阪府と和歌山県の間だけでした。
愛知県の要領は、名古屋市など県内の保健所設置市の許可を、県の区域でも有効なものとみなしています。一方、県の許可で名古屋市内に出られることを定めた名古屋市の資料は見つかりませんでした。名古屋市内で出店するなら、保健センターに確認するのが確実です。
包装品を車で売る届出にも、自治体ごとの違いがあります。東京都は、営業する場所を管轄する保健所ごとに届出が必要としています。また、厚生労働省は2026年3月の通知で、自動車の飲食店営業の許可申請に営業場所の記載を必須にする予定だと示しています(2026年10月時点で、省令の改正は確認できていません)。
1時間に何個出せる?温め時間と電源から逆算する
温めて出すメニューは、電子レンジ1台で1時間に何個温められるかが、ピーク時に出せる数の目安になります。当社の野菜もちパン(100g)の案内では、500Wで冷凍から60〜90秒、半解凍なら60秒、常温に戻してからなら30〜50秒です。1台で1個ずつ温める場合、加熱の工程だけで見ると1時間に40〜60個が目安です(出し入れと会計の時間は含みません。複数個を同時に温める場合の時間は、別に確かめてください)。110g・140gの商品は、温まり具合を見て10秒ずつ足すよう案内しています。
業務用の電子レンジは、100V電源の機種だと出力700〜800Wが中心で、1,000Wを超える機種は200V電源です(パナソニック・シャープの公式の仕様)。出力が違うときの時間の目安は「表示の出力×表示の時間÷使う出力」で、700Wなら理論上は43〜64秒になります。ただし日本冷凍食品協会は、高い出力では加熱ムラが出やすいとして、表示どおりの出力で温め、足りなければ10秒ずつ足すよう案内しています。
ピーク時の数を増やすには、次の方法があります。
- 電子レンジを2台にする
- 温めずに出せる商品(解凍して出すスイーツなど)をメニューに混ぜる
電源も先に確かめます。業務用の電子レンジは、消費電力が出力より大きく、たとえば出力700Wのパナソニック NE-711GVの消費電力は1,260Wです。出店先によっては「1回路1,000Wまで」といった上限があります。発電機を使う場合、ヤマハは電子レンジの起動時の電力を消費電力の1.1〜2倍の目安としており、メーカー各社は屋内や換気の悪い場所で使わないよう注意しています。
冷凍庫と仕入れ量はどう決める?
冷凍食品の保存の基準は、食品衛生法の規格基準で−15℃以下です。日本冷凍食品協会は品質を保つために、各段階で−18℃以下を基準にしています。当社の冷凍スイーツ・パンも、−18℃以下での保存を前提に工場から直送しています。車に積む冷蔵・冷凍設備には、温度計が必要です。
日本冷凍食品協会は、いったん解凍したものは再凍結しないよう案内しています。1日に温める数・解凍する数は、天気と出店先の見込みで小分けに決め、残りは冷凍のまま持ち帰れるようにしておくと無駄が出にくくなります。1回に仕入れる量の上限は、車と保管場所の冷凍庫に実際に入る量です。賞味期限が長い商品ほど、売れ残りを次の出店に回せます。
仕入れ先を選ぶときの確認リスト
キッチンカー向けに冷凍のスイーツやパンを仕入れるときは、次の点を事前に確かめておくと安心です。
- 何個から買えるか(最小ロット・1ケースの入数)
- 冷凍便の送料と、注文から届くまでの日数
- 賞味期限と、解凍したあとの期限
- 温め方の案内(何Wで何秒か)
- 原材料・アレルゲンの表示と、規格書を出してもらえるか
- サンプルを試せるか
当社の冷凍スイーツ・パンの主な条件は次のとおりです。卸価格は、数量・納品先・継続の頻度に応じてお見積もりします。
| 項目 | ドバイ系スイーツ | 野菜もちパン |
|---|---|---|
| 主な商品 | ドバイチョコ餅(ココア)・ドバイチョコもち(6種)・ドバイカヌレ・ドバイショコラ | コグマ・カムジャ・かぼちゃ・とうもろこし・ネギ |
| 1個の重さ | 約40g | 100〜140g |
| 保存・期限 | 冷凍(−18℃以下)で6か月、解凍後は1〜2日 | 冷凍で賞味180日 |
| 出し方 | 解凍して出す | 電子レンジで温めて出す |
| 卸の単位 | 270個(3ケース)から | 300個から(コグマパン・カムジャパン。5種セットは60袋から) |
| サンプル | 通販 Han Select の6個セットでお試し可(初回の卸で1点分を差し引き) | 通販 Han Select の10個セットでお試し可(同じ) |

まず少量で試したい場合は、当社の通販「Han Select」の業務用セット(ドバイチョコ餅90個・野菜もちパン50個など)もあります。商品の詳細はドバイ系スイーツの卸と野菜もちパンの卸のページを、商品そのものについてはドバイチョコ餅とは・韓国の野菜パンとはの記事をご覧ください。百貨店や駅ナカの催事に出る場合の手数料や段取りは、催事出店向けスイーツの選び方にまとめています。
よくある質問
冷凍のスイーツを温めて出すだけでも、菓子製造業の許可は要りますか?
国の整理では、工場で作られた既製品を開封・加温・盛り付けして出すのは菓子の「製造」ではなく、飲食店営業(簡易な営業)の範囲です。ただし、既製のまんじゅうを蒸して売る場合は営業届出とする例外があり、自動車の許可業種に菓子製造業を置く自治体もあります。商品と工程を示して、営業する地域の保健所に確認してください。
ドバイチョコ餅を解凍して、袋のまま売ってもいいですか?
包装のまま売る場合は営業届出が必要です。また、解凍すると冷凍のときの表示が実態と合わなくなるため、消費者庁のQ&Aは、売るときの食品の区分に合った表示(保存方法・期限など)に変えるよう求めています。解凍した事業者は、表示の上では「加工者」にあたります。包装を開けて出すか、表示の扱いを保健所と仕入れ先に確認してから販売してください。
キッチンカーで使う電子レンジは、何Wのものがよいですか?
商品の案内にあるW数で温められる機種が扱いやすいです。100V電源の業務用は出力700〜800Wが中心で、消費電力はそれより大きくなります。出店先の電源の上限と、ピーク時に必要な台数もあわせて確かめてください。
何個から仕入れられますか?
当社では、ドバイ系スイーツは270個(3ケース)から、野菜もちパンは300個から(コグマパン・カムジャパン。2種の組み合わせ可)お見積もりします。少量で試す場合は、当社の通販「Han Select」の業務用セットもご利用いただけます。
冬のキッチンカーに向いているのはどの商品ですか?
温かくして出せる野菜もちパンは、冬のメニューに足しやすい商品です。甘い系(コグマ・かぼちゃ)と食事系(カムジャ・ネギ)があるので、ホットドリンクとの組み合わせも考えられます。
出典
- 厚生労働省「食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政省令の制定について」(令和元年12月27日 生食発1227第2号)
- 厚生労働省「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A」
- e-Gov 法令検索「食品衛生法施行規則」
- 東京都保健医療局「自動車関係営業許可申請等の手引」(2026年3月)
- 東京都保健医療局「食品関係営業届出の手引」(2026年9月)
- 相模原市「自動車による営業の施設基準」
- 相模原市「自動車による移動食品営業(キッチンカー)の営業区域が県内全域に拡大されます」
- 愛知県「自動車による営業並びに露店営業、臨時営業及び短期営業に関する取扱要領」
- 厚生労働省「自動車による飲食店営業の営業許可に関する実態調査」
- 厚生労働省 通知(2026年3月27日)
- 消費者庁「食品表示基準Q&A」第2章(加工食品)
- 消費者庁「外食・中食におけるアレルゲン情報の提供」
- 消費者庁「食品、添加物等の規格基準」(冷凍食品)
- 一般社団法人日本冷凍食品協会「冷凍食品Q&A」
- J-Net21「移動販売(キッチンカー)の消費者利用動向」
- 飲食店ドットコム「キッチンカーに関する調査」
- 名古屋市南区「南区民まつり2027冬 飲食店出店募集」
- パナソニック 業務用電子レンジ NE-711GV
- シャープ「レンジの加熱時間の換算」
- ヤマハ発動機「発電機の選び方」
- 道の駅みき「キッチンカー・テント出店」



